芯ホルダー STAEDTLER Mars 780 (1980年代)

これは20年以上使い続けている芯ホルダー。シャープペンシルのようなものだけど、芯の直径が2mmもあるので、どちらかというと鉛筆に近い。また芯をがっちり固定するので、シャープペンシルのようなガタつきもなく安定している。軸はプラスチック製だが、肉厚なので割りと剛性感はある。芯の質も鉛筆に近く(同じ?)、シャープペン芯のような違和感は全くない。シャープペン芯は、折れにくくする必要があるために書き味が犠牲になっているように思う。このMARSの用途はもっぱらスケッチ。本当は製図用らしいが、製図はCADで行うので、こういうペンは出番がない。スケッチは鉛筆の方が好きなのだが、芯だけを消耗する芯ホルダーは、エコな今日に向いているように思う。

下は芯を引っ込めた状態。このようにすると、先端が平らになって、携帯しやすくなる。無造作にバッグに入れておいても問題ない。

芯を引っ込めたときの全長が約152mmで、直径が一番大きいところで8.5mmぐらい。この手のペンとしては長めになっている。

多くのシャープペンは芯を出すときにカチカチと音がするが、芯ホルダーは押すと芯を押さえるチャックが開くだけで音はしない。

2本あったのだが、会社等で使っていると大抵紛失する。現在は1本しか持っていない。スペアを購入しようと、文具売り場で同じものを探したのだが、どうも品質が違うようだ。すごくちゃちな印象。型番も微妙に違う。ロットリングにも言える事だが、ドイツブランド文具はガンガン品質が落ちているようにしか思えない。
2012/08/31
最近ステッドラーの芯ホルダーを見たら、デザインが戻っていた。エンドキャップの形状がつるっとしているけど、その他は780と同等のようだ。軸には「Mars technico」と書かれている。型番は780Cということらしい。

MARS780は、クリップがついていたのだけど、個人的にクリップは邪魔でしかないので、取ってしまっている。取りはずして使うことも考慮されている設計だ。クリップがなくても全く違和感はない。

軸は金具のグリップ部の断面は円形だが、プラ部が8角形になっている。個人的には、持ったときの感触として重要な部分。本当は6角形の鉛筆と同じ形状の方がしっくりは来るのだが、8角形でもOK。書くときにペンをよく回転させるのだが、そのコントロールになくてはならない部分。丸いと、どうしていいか分からなくなってしまう。

グリップは古典的なローレット加工で汚れやすいが、滑りにくさは保証付。ラバーなどの柔らかいグリップは頼りなくて好きではない。

重量は13.62gだった。鉛筆が6gぐらいだから、2倍強重いことになる。重心はほぼ中央。軽い筆圧でスケッチを描くには不向きかも。

20年以上も使うと、金属部は曇ってきたし、軸に彫られているロゴは、色が完全に飛んでしまった。それでも基本性能は問題なく、ノートラブルで使えている。

軸プラの肉厚は、そこそこ厚くて剛性がある。

後ろのキャップの穴は簡易芯削りになっている。この穴に芯を入れて回せば、それなりに削ることができる。外出時にちょっと削る場合には便利だ。



芯について
芯は直径が2mmであればメーカーが違っても使うことができる。個人的にステッドラーの芯は硬く感じるし、色味が好きではないので使っていない。代替として滑らかで濃い三菱鉛筆のuniの替芯(定価210円)を使っている。おそらく鉛筆のuniと同じで、黒鉛と粘土により作られていると思う。シャープ芯のようなポリマーで固められた芯は好みではない。uniの芯は気に入っているのだが、芯が入っているケースは無意味にゴージャス。こういう廃棄される運命のパッケージはもっと簡素でいいと思うのだが。

三菱鉛筆 ユニホルダー替芯(N)
定価210円
硬度 4H 3H 2H H F HB B 2B 3B 4B
6本入
長さ 130mm 芯径2mm

芯のお尻にはストッパーが付いていて、ホルダーから抜け落ちないような配慮がされている。しかし、そのまま使うと、最後まで使うことができずに、4cmぐらい残ってしまうので、余計なお世話のストッパーを取り外して使っている。そうすると下写真のように、1cmぐらいまで使うことが可能。



芯削り
芯ホルダー用の鉛筆削りは、芯だけを削るので特殊。芯ホルダーと同時に購入したものだが、未だに現役。しかし携帯すると削りカスがポロポロ出てきてかばんの中が真っ黒になることもあった。最近は携帯しないから問題はないのだが。新しいものは形状は同じように見えたが、コストダウンしているようだ。