SONY WALKMAN NW-E044

選定理由

USBメモリ形状でPCに直接接続できる点。余計なケーブルがいらない。現在のiPodは全滅。
ディスプレイがあること。曲名の確認ぐらいは欲しい。
小さいこと。屋外での使用では、荷物にならないことが重要。
比較的安価 8GBで1万切は安価。
はじめアップルiPodを検討したが、実用性、コストパフォーマンスを考えると、こちらに軍配が上がった。 購入したのは2009年秋。

主な仕様

メモリー 8GB
購入価格 8,532円 Amazon
発売日 2009/5/16
対応圧縮音声フォーマット MP3/WMA/ATRAC/リニアPCM/AAC 
サイズ 84.9×22.4×16.9mm 28g
ヘッドフォン端子 一般的な3.5mmステレオプラグが使える。
バッテリー 内蔵型リチウムイオン電池。説明書によると30時間持つそうだ。実際にそれに近い駆動時間に思える。

パッケージは小さい。113x80x30mmといったところ。

付属の転送ソフト x-アプリは最悪

重たくもっさりで、起動に時間がかかる。お金を払っているにもかかわらず、毎回でっかく広告が表示される。使い勝手が悪い。不安定。ということで、よいことは何もない。こんなアプリは捨ててしまおう。

とは言うものの、とりあえず下記のように広告などを表示させないようにしてみた。これは設定でOFFにするようなものではなく、XMLファイルを編集して無理やり消した。今後はx-アプリ以外の転送手段を試して、心地よい方法に切り替えようと思う。ギャップレス再生はあきらめるしかない。

walkmanの上位機種はドラッグ&ドロップで転送できるようだ。皮肉なことにx-アプリを使わなくても転送できるというのが売りとなっている。

圧縮音声フォーマットについて

現状では最も普及しているのはMP3で次にAACとなる。SONY規格のATRACは普及という意味では話にならない。もはやSONY製品だけでしか利用できないので将来性も感じない。WALKMANでは唯一ギャップレス再生に対応しているのがATRACなので、LIVE音源などは仕方なく使ってはみたが、いやらしい差別仕様はどうも気に入らない。個人的にはオープンで開発されている Ogg Vorbis が性能的にもよくて未来を感じるのだが、これを再生するプレーヤーがあまりにも少ない。もちろんwalkmanも対応していない。ハードの完成度やメーカーの安心感などからSONYにしたのだが、今後は韓国、台湾のメーカーの方が有望かもしれない。少なくともoggやflacを積極的に採用していて、転送方法もシンプルで、仕様としては好み。考え方は先を行っていると思う。国内メーカーの鎖国っぽい仕様はどれも気に食わない。MP3もAACもユーザーは自由に使えているけど、メーカーは使用料を支払っているので、結局商品にその分を上乗せする必要がある。ユーザーもOggなどを積極的に使用するようにすれば、状況が変わるかもしれないのだが、今のところOggが広がる気配はない・・・。Googleが開発しているオープンな動画規格であるWebMなどが普及してくれば流れが変わるかも。
圧縮音源は音質が明らかに劣化する。MP3やAACの192kbpsぐらいでも、オリジナルと比較すると、あれ?という感じに劣化する。特に空気感みたいな部分が随分と変化するという印象。

インナーフォン

大口径13.5mmのドライバーを採用したインナーフォン。屋内で聴くと低音が強すぎてイマイチだったけど、屋外だと意外とよかった。そういうチューニングをしているようだ。屋外では低音ノイズが多いので、低音が強めでないとまともに聴けないということだろう。
ケーブルは短く、左耳までの長さが47cm。これに延長ケーブル54cmをつけることで普通の長さになる。胸ポケットやクリップを使う場合は短くて十分なのだろう。個人的には延長ケーブルを常時接続して使うので、そのジョイント部がバランス的に重くて邪魔に感じる。普通に1mちょっとぐらいの長さがよかった。あと、ケーブルはやわらかく絡まりやすい。SONYの付属インナーフォンは昔からよく絡まる。

イヤーピースは、サイズが3つ付属していて交換可能。個人差が大きい部分なので、こういう対応は歓迎できる。

メンテナンス性のよさ 110805
通常のインナーフォンにくらべ、このカナル?タイプのインナーフォンはメンテナンス性がよいことに気づく。不織布が汚れをドライバーの方まで入りにくくしているし、イヤーピースなどは丸洗いできる。これは快適に思えた。音がある程度のレベルであれば、あとは長く快適に使えるかどうかという部分が重要になる。

ハードウェアの出来

SONYの意地だろうか、よく出来ていると思う。まずもっとも重要なことだが音がよい。
外装については、パネルを交換することで色のコーディネイトができるようだが、どうでもいいわ。変なキラキラ塗装とか、プラにメッキ処理したりとか、ハードウェアデザインは独自性もセンスも感じない。下は付属のパネル。はじめから2種類のパネルを交換出来るようになっている。こんなのなくていいから価格を少しでも下げてくれたほうが嬉しい。
下はパネルをはずした状態。この機種のメリットは外装交換ではなく、分解が簡単ということ。液晶周辺に入り込んだホコリを簡単に除去できる。多くの機器は液晶に入り込んだホコリを除去するのは大変な作業。こんなに簡単にメンテできるという意味では、外装交換も歓迎。

バッテリー

バッテリーまわりは素晴らしいと思う。不安はどのメーカーでもそうだが、交換費用がバカ高いことと、交換したいときにはバッテリーは手に入らない状態になること。バッテリーが劣化したら新機種を買えということなのだろう。駆動時間は短くても乾電池単4形1本で動作するのが理想。小型化、駆動時間からリチウムを採用するのは分かるが、あえて乾電池仕様を望みたい。このwalkmanのバッテリーが劣化したら、乾電池仕様に改造しよっと。

バッテリーのその後1 110805

2年ぐらい頻繁に使っているがバッテリーの劣化は感じない。ワンセルのリチウムイオン電池の高性能ぶりに驚かされる。PCのように複数セル直列構造の10V以上のバッテリーは、どうしても劣化が激しくて嫌なのだが、ワンセルリチウムは他の機器でも性能を維持しつつ長持ちしている。デジカメのF10もワンセルのリチウムだが、6年間使っていても著しい劣化はなく普通に使えている。

バッテリーのその後2 150411

毎日に近いぐらいの稼働率で6年間使用。バッテリーの劣化はほとんど気にならない。駆動時間は多少減っていると思うが、1日中使っていても切れるようなこともないし、放置しておいても空になっていることもない。優秀なバッテリーだ。

ジャケット表示

ディスプレイにジャケット表示がされるのだが、個人的にはなくてもいい。これのために出来の悪い専用ソフトを使わなくてはいけない羽目になるのは嫌なので。説明書を見るとジャケット表示のOFFもできるようだ。

使い勝手は、やや難はあるものの悪くはない。選曲とボリュームが、ささっとできればそれでよい。アルバム単位と曲単位で選択できる。誤操作を防ぐHOLDスイッチもある。ボタン類は最小限でうまくまとめている印象。

再生モードなど

アルバム単位で再生することも可能。アルバム内の再生が終われば電源が自動でOFFになってくれる。これは個人的に便利に感じている。膨大なリストを再生し続けてしまう仕様では、再生していることに気づかないと、すぐにバッテリーがなくなってしまう。そういう失敗を回避できるから。
リピートは、1曲、アルバム、全曲ができる。個人的にはあまり使わないけど。
あとシャッフル。アルバム内もしくは全曲でのシャッフルができる。これも使わないな。
購入して分かったことだが、かなり多くの再生モードを備えていた。例えば以下のようなものがあった。
Playlists
パソコン側でリストを作る必要がある。これを使いこなすと便利かもしれないけど、今のところ使ったことはない。
Recent Transfers
最も新しく転送されたアルバムを再生する。
My Favorite Shuffle
よく聞く100曲をシャッフル再生。
Sports Shuffle
一定時間(1~99分)ずつランダムに再生する。名前からして、この時間を目安に何か運動とかするのかな?
Time Machine Shuffle
同じ発売年の曲をシャッフル再生。

省電力モードにすれば、操作しないと画面が暗くなる。これは何かとよいと思う。ただ、表示させたいときに、何かしらの操作をしないと表示されないので、何の操作をするかが問題。曲モードとアルバムモードの切替ボタンを押すのが再生に影響がでないので、いいかもしれない。下はノーマルモードで出るスクリーンセイバーのようなもの。たまにこんな画面が出てくる。

PDFの説明書を見ると他にもいろんな機能が入っているのが分かる。売り文句でもあるクリアベースとかクリアステレオとか音質向上に貢献する機能もある。クリアベースは、特殊なイコライザー?という感じで、特に低音を強調したくもないので使わないし、クリアステレオは付属フォン以外では効果も薄そうだし、どうも妙なステレオ感に感じられたので、使うのをやめた。他のこまごました機能も個人的にはほとんど使わないというかんじで設定をOFFしまくった。

結局のところ、ハードウェアは満足できるが、フォーマットを含めた仕様と転送ソフトはまったく評価できないというもの。SONYもAppleのiPodにやられてから結局シェアは奪われたまま。部分的にはSONYらしいよい面はあるのだが、総合的にはAppleの方が魅力的。これでは差は縮まらないだろう。Googleと仲良くして、ハードだけ作ったほうがSONYの未来は明るいかもしれない。ハードウェアデザインは業務用路線にすればAppleとの差別化もできるだろう。Appleを意識したおしゃれ路線ではSONYの未来は暗い。

X-アプリ2.0 へバージョンアップ

2010.10.17
2.0にバージョンアップしてみた。いろいろ改善されていたらと、期待したのが間違いだった。悪いところはそのままに、さらにひどいアプリになっていた。ウイルスなみに再生するたびにハードディスクの空き領域がなくなり、最後は0KBまで侵食してしまう。再起動すれば元の空き領域に戻りはするが、再起動するまでは他のソフトが使えなくなるという、PC環境破壊ソフトになってしまった。もはやこんなソフトを作ってばらまくSONYを信用することはできないなぁ。今後SONY商品を買うことはちょっとためらう。とくにPCソフトウェアに依存するものは全く買う気は失せた。とりあえず、もう一度インストールからやり直して再現するかどうか確認してみようかと思う。

再インストールしても同じだった。数曲再生するたびに1GB程度ハードディスク残量が消えていく。他のソフトとの相性問題なのか、OSがぶっ壊れているのか不明。他のソフトは問題なく動いているので、どちらにしてもx-アプリが引き金を引いている。ひどい出来のソフトだ。削除しても、完全に削除は出来ないようで何かが残っている。オフィシャルを見ると、リカバリしてくださいというアドバイスだ。x-アプリってOSのリカバリまでさせるのか・・・。やってられない。

SonicStage V 5.1を使うことに

2010.10.21
100MB単位でガンガンとハードディスクの空き容量が減っていくx-アプリ2.0は使ってられないので、以前のソフトに戻そうと思ったら、x-アプリ1.1が、手に入らなくなっていた。SONYは新しいバージョンしかダウンロードさせてくれない・・・。ノンサポートでいいから、古いバージョンもサイトに置いて欲しい。さらに古いSonicStage Vを探すが、こちらもWalkmanサイトではダウンロードできなかった。でもVAIOにあった。
http://vcl.vaio.sony.co.jp/download/EP0000174055.html
とりあえずSonicStage V 5.1をダウンロード。よく見るとアップデートプログラムとなっている。でもインストールしたら普通に使えた。転送も問題ないようだ。ハードディスクの空き領域はx-アプリ2.0のように減ることもなかった。しばらくこれで行こう。

SonicStage CP Ver4.4 を使うことに

2010.10.22
さらに古いソフトを使うことにした。調べてみたらE044にも対応していたので、うっとうしい広告がないSonicStage CPを使うことにした。以下のオフィシャルからダウンロード可能。シンプルな操作性。これで十分だ。ジャケットとかは自分でドラッグしなければならないが不自由はない。
http://www.sony.jp/support/pa_common/download/ss_dl_01.html


GNU/Linux Ubuntu(Lubuntu)から転送

2013.9.13
ubuntuからデータ転送をできるようにした。iPodやwalkmanの一部では簡単にできることだが、NW-E044は結構ハードルが高い。結局 sonydb という転送ソフトを使うことで転送ができるようになった。
mattn/sonydb - GitHub
http://mattn.kaoriya.net/software/linux/20071121165107.htm
コマンドライン操作なのでGUIに慣れている人には厳しい仕様かもしれないが、個人的にはGUIよりもシンプルでよい。sonydbの詳細はこちらのページに書いてみた。
問題は、Windowsの純正転送ソフトが使えなくなってしまったこと。WinでもLinuxからでも転送する手段はないものだろうか・・・


5年以上使ってみて

2014.11.20
それなりの頻度で使い続けているのだが、バッテリーの劣化もそれほどではなく、未だに毎日使っていても大きな問題はない。予想以上に使えている。 ただ本体は結構ボロボロになってきた。キラキラのパール塗装がされていたのだが、ほとんどはがれてしまった。

裏面

印刷は消えかかっている。

ストラップ取り付け部はプラにめっき。こういう部分のめっきははがれる。デザイン的には、おしゃれ感を出したかったのだろうけど、逆効果だよ。

塗装がすっかりとれてしまってキャップと本体の地は変色して差が出てしまった。おそらく材質が違うのだろう。こういうのが目立たないのは黒色。

この手の消耗品プロダクトで5年使えればまぁまぁというところだが、まだまだ使えそう。それにしてもバッテリーと本体を一体構造にして、バッテリー寿命=本体寿命としてしまうのはいかがなものかと思う。乾電池駆動のCDプレーヤーは10年使っているが、まったく問題なく使えている。乾電池駆動のメモリオーディオがあったらよいと思うのだが、そんな壊れにくそうな商品は今のメーカーは作りそうもない。そういう意味ではちょっと大きくなるがPCMレコーダーを使うのはいいかも。



7年ほど使ってみて

2016.08.11
さすがに調子が悪くなってきた。再生途中で、いきなり再生が止まり、ボタンを押しても何も反応しなくなる。そのまま放置しておくと、数分から数十分後に起動できるようになる。でもまたすぐに操作を受け付けなくなる。という症状が1ヶ月ぐらい続いている。おそらくバッテリーがへたっているように思う。バッテリー交換も考えて見たが、互換バッテリーでも3000円ぐらいかかってしまう。買い換えた方が安く付きそうだ。というか所有しているSONYのICレコーダの ICD-PX440C を使えばいいか。


2016.08.28
ついに再生しなくなる。7年間使えたことになる。不具合の原因がバッテリーかどうか分からなかったので、とりあえず分解。この手の商品にしては簡単に分解できるところが素晴らしい。破壊にならずにちゃんと元に戻せる!

バッテリーは3.7V 170mAhリチウムイオン。ケーブルにはコネクタがあるのだが、駆動実験のため切断している。サイズは43x16.5x3.5mm。

バッテリーは基板と液晶の間に配置されていた。

基板を反対側から見たところ。

バッテリーを取外し、乾電池で駆動できるか実験してみた。 乾電池2本では駆動できなかったが、3本にしたら、普通に駆動できるようになった。 明らかにバッテリーの寿命という結論。バッテリー以外は問題なし。 もともとの内蔵リチウムイオン電池が3.7Vなので、エネループ1.2Vを3本使い3.6Vとするとよさそうだ。しかし本体と電池ボックスをセットにして使うとなると携帯性が悪くなる。そこまでして使うべきか疑問に思えてきた。やはりSONYのICレコーダ ICD-PX440C へ移行するのが素直な考えだろう。