古い弦はオクターブチューニングが狂う

前回アコースティックギターの弦を取り替えたのが2011/06/15なので、1年半ぐらい放置していることになる。使っている弦はD'Addario EXP16なので、長持ちはするのだが、さすがに交換しないとまずいと思っている。まず音に倍音があまりなく、パリッとした音が出ていない。また1,2弦はサビが出て黒っぽくなっている。特に指が触れるローポジションは結構黒くなっている。あまり使わないハイポジションはまだ光沢がある。そして一番の問題がチューニング。開放弦でチューニングすると、各フレットの音程が若干合わなくなってきた。つまりオクターブチューニングが合わなくなってきたということ。どうしても10セントぐらい低めに出てしまう。コードによっては濁りが気になる。やっぱり5セント以内、できれば3セント以内にしておきたい。

では、なぜ低めになってしまうのだろうか? 特に裸弦の1,2弦でその傾向があり、巻弦はそれほどピッチは狂っていない。1,2弦はサビがローポジションに出ているので、その影響だろうか? 普通錆びると酸化して重くなるのだが、チューニングが低くなるということは、ローポジションほど軽くなっている可能性が高い。

よく布で拭いたりしているので、表面が削れてローポジションほど細くなっているのかもしれない。そこで今回の弦交換で、ローポジションとハイポジションを同じ長さに切り分けて、精密はかりを使って重さを測ってみた。

結果は、かなり微妙な差ではあるが、明らかにローポジション側が軽かった。2弦を数回測った平均が、ローが0.30gでハイが0.31g程度。どうも重さが均一でなくなってしまっている。オクターブチューニングが狂う大きな原因はこれだと思われる。

次にまだ張ってある1弦を使ってちょっとした実験。ハイポジションからサドルにかけてが重いのであれば、耐水ペーパーなどで、なでることで、軽くしてしまおうというもの。予想通りオクターブチューニングは合うようになった。数回なでることで、かなりの精度で合うようになった。一時的にはこの方法が使えるかもしれない。でもかなり微妙な作業で、うまくやらないと、あるフレットだけピッチが合わなかったりもするので、とてもお勧めはできないけど。

この件についてネットで検索してみたけど、いろんな意見があるのね。古くなるとオクターブチューニングが低めに出るというのは共通点のようだ。でも結論が出ていない気がする。個人的には「古い弦のオクターブチューニングが狂う理由は、錆びによる劣化と、その管理方法によって、弦が均一の重さでなくなってしまうため。」と結論付けたい。