2013/05/25

ゲルインクボールペン ユニボール シグノ RT1

ボールペンを探す

今までBICの昔ながらの油性ボールペン(オレンジや4色ボールペン)を使っていたが、中国製になったので、国産の最新式に乗り換えようかと思い、何本か買って試してみた。比較したボールペンは使い勝手からノック式を選択。
三菱鉛筆 シグノRT1
ゼブラ サラサクリップ
三菱鉛筆 ジェットストリーム
ぺんてる ビクーニャ
の4本。その中で気に入ったのはシグノRT1だった。それぞれ特徴があり、どのペンも素晴らしいのだが、決め手は印刷にも使える線が引けることだった。

ボールペンの守備範囲

そもそも油性ボールペンは守備範囲が広く、一本あれば何かと重宝する。乾燥に強くキャップ不要なため使い勝手がよい。書いた文字は簡単に消えず、耐水性もあることから、公文書での利用も可能。そして複写紙への記入はボールペンの独壇場だろう。ただアバウトな線しか引けないので、精密な用途や印刷用には使えなかった。ところが最近のボールペンはそういう用途でも耐えうる品質になりつつある。また昔は油性しかなかったボールペンだが、さまざまなタイプのボールペンが市場に出回るようになった。

ボールペンの種類

大まかに油性、水性、ゲルの3種類に分類できると思う。

油性は昔からあるタイプで、速乾性に優れている反面、ある程度の筆圧で書く必要があり、紙を痛めやすい。書かれた線もカスレやダマが問題となっている。染料系で色も薄い傾向にある。インク消耗は遅くコストパフォーマンスは最強。

水性はサラサラとした書き味で比較的綺麗な線が書けるが、乾燥しやすいのでキャップが必須。うっかりすると、すぐに乾燥して駄目にしてしまう。インクはサラサラなので紙によく浸透するが、にじみやすく耐水性は劣る。

ゲルは3種の中では新しく、水性の書き味と、キャップレスを実現し、一気に油性と水性の市場を奪った現在主流とも言えるボールペン。 ゲルは通常状態では高粘度で、筆記時にせん断応力がかかると低粘度(ゾル)になるという特徴がある。紙に転写されたインクは再度ゲルの高粘度に戻っていくため、にじみも少ない。 ただ代償としてインクの消耗は早く、筆記距離は同じ容量であれば 1/10ぐらいしかない。速乾性も油性には劣る。 またゲルボールペンは顔料系と染料系に分かれる。顔料は耐水性、耐光性にすぐれ保存に有利だが、乾きは遅い。染料は逆で速乾性に有利だが、耐水性、耐光性に劣る。

低粘度油性は最も新しいタイプ。三菱から発売され、その後各社が参入している。油性でありながら、滑らかな書き味で従来の油性の欠点を克服している。問題はインクの消耗が早いこと。

比較した印象

低粘度油性であるジェットストリームビクーニャはヌルヌルとした滑らかな書き味で、速乾性も優秀。スピード優先の普段使いでは最適なボールペンかもしれない。ただ、油性ゆえに書き始めはインクがドバっと出ないので、インクが乗っていない点が出てしまう。精密な用途では使えない。筆記距離は低粘度のため、ゲルインクと同じぐらい消耗する。

ジェットストリームの色は従来の油性ボールペン黒に近く、やや赤紫気味のギラギラしたところがある。ビクーニャは水性ぽいマットな黒だが、油性独特のギラギラは多少ある。滑らかさではジェットストリームが気持ちよく、赤は丸付けに使っている。カスレの無さではビクーニャが上だが、ボタ落ちしやすく、インクの消耗が早い。個人的にはちょっと残念な印象のビクーニャ。

Jetstreamについてはこちらのページで分解してみた。

サラサクリップは人気商品で定番化しているようだ。ゲルなのでインクの出はよくてインクの浸透性はそれなりにある。黒くくっきりした線が書けるが、書き味がどうもカリカリして、あまり気持ちよくなかった。またうっかり立てて保管すると、インクが先端から出てしまうことも。また線もシグノRT1と比較してしまうとシャープさはないようだ。インク出すぎ傾向。シグノと比べるとやや薄め。


シグノRT1はインクの出方と滲みのないシャープな線が絶妙に思えた。丁寧に書こうと思えば、いくらでも応えてくれる。極小点を描くとわかるのだが、一番小さく真っ黒な円形を描くことができる。それでいて、ラフな扱いもできる。黒色も今まで使っていた水性フェルトよりも濃く、ロットリング ラピッドグラフの代わりになる。印刷用原稿にしても文句ないレベル。専用ペン数本分の仕事をこれ1本でこなせてしまう。インクの紙への浸透性が渋めで、結果的にシャープに描くことができるが、反面乾きは遅い。


色について

青は好きだし、資料に書き込むには便利であった。でもコピーや印刷にまわすときには黒が好ましい。今後は黒メインで使っていこうかと思っている。そもそも昔は真っ黒な色が出るボールペンなんてなかったので、それなら青でよいという考えでもあった。いまさらながら考えを改めないと。

三菱鉛筆 ユニボール シグノ RT1 0.5mm 黒
http://www.mpuni.co.jp/
定価150円(税抜) 税込実売価格145円(2014年4月以降は150円)
発売日:2013/01/28
uni-ball signoシリーズ は1994年から発売されている
リフィル:UMR-85N.24 (0.5mm 黒) 84円
軸径 11mm
厚さ 15.4mm
全長 141.2mm
重量 11.1g

デザイン

今回の比較はインク周りの性能重視で、デザインは無視していたのだが、シグノRT1のデザインは洗練されていた。他のゴテゴテのデザインと比較すると好み。軸の配色も、妙な2トーンでなく、インク色ごとにボディを単色にしていて洒落ている。

グリップ

かなり先のほうまでグリップがあり、個人的には助かる仕様。BICのオレンジや多色ペンにしても、これに近いレイアウトだったので気に入っていた。多くのペンはグリップの位置がもう少し高いところから始まる。これだと、指がつなぎ目に触れるので、不快だったのだ。持ち方の問題ではあるのだが、グリップが長いことで、どんな持ち方でも、不快な思いをしないで済む。

昔のノック式はペン先と軸との遊びが多すぎてガタが気になったものだが、いまどきの日本製は全く問題ないレベル。

クリップ

クリップのデザインがノックと一体化している。ノックするとき押しやすい。クリップは比較的上に付いているので、持ったときにクリップが邪魔になりにくい。個人的にさまざまな持ち方をするので、クリップは大抵邪魔になり、取り外すのだが、この手のペンでは無理な話。少しでも邪魔にならないsignoはなかなかよいのだが、使っているとクリップがカチャカチャと動いてうるさい。改造しようかな・・・



ポケットに入れたときに、見える部分が最小限になる。下はJetstream、VICUNAとの比較。ポケットへの収まり方がきれい。特に蓋付のポケットの場合都合がよい。

軸色はスモークだが、肝心のインク残量確認は問題あり

黒に見えるけど、半透明なので、光に透かせばインク残量は確認できるが、それはインクが半分までの話。肝心のインク残量がわずかになったときは分解して確認するしかない。見た目重視の軸というところが残念。

uniロゴ

ペン先を引っ込めるとuniロゴが出てくる。

JAPAN 刻印

文具は Made in Japan 健在だね。

銘板

この手のシールはすぐに剥がしてしまうので、何が書いてあったかの記録として、ここに載せておく。


分解

クリップ部の分解はしていない。
先軸 PP
グリップ エラストマー
後軸 PC
クリップ ABS

クリップ部は意外と複雑な構造になっている。途中までバラしてみたけど、壊したくないので、バラバラにするのはやめておいた。

リフィル インク消耗が早い

三菱のホームページを見る限りインクの耐光性は高そうだ。顔料系黒だからまぁ大丈夫だろう。実際には長期保存しないとわからないことが多いのだが、期待できると思う。一方比較したJetstreamは油性にもかかわらず保存性はやや問題ありそう。低粘度を実現したたために保存性が犠牲になったのかな。

ペン先の形状を改良してエッジをなくして、滑らかな書き味を実現している。Jetstreamほどではないが、サラサクリップよりも滑らかで引っかかりは無い。

問題はインク消耗の早さから来るコストパフォーマンスの悪さだろう。これはゲルインク全般に言えること。まぁ仕方ない。公式で筆記距離の発表は無いようだが、0.5mmは800m以上書けるようなので意外と健闘している。しかし、0.38になると400m以下となる。0.28mmも似たり寄ったりの距離。ボールの耐久性に合わせたインク量だと思われる。小さい径のボールでは磨耗が激しく、どうしても筆記距離は短くなるようだ。ちなみに従来の油性ボールペンは1000mぐらい書けるのが普通。最近流行っている多色ゲルボールペンは筆記距離が100mもないと思われるので、とても不経済。

イラスト用に使ってみるが・・・ 140801

実際シグノを使って毎日イラスト作業をしていたら、1ヶ月ぐらいでなくなってしまった。それほどガンガン使っていたわけではない。 やはりインク消耗はかなり早い印象だ。2回ほど買いなおして使ってみたが、やはりコスパが悪いと思えて、シグノをイラスト用に使うのはやめることにした。

リフィルは旧RTと同じ型番で混乱しやすい。半年ぐらいですべて新しいものになるのだろうか?今買うと古いタイプになりそうだわ。

ペン先からエンドまでは111.5mm。太いところの軸径は6mm。インクが入っている部分の内径は約4.6mm。ボールサイズごとに内径は違うようだ。

uni-ball SigNo UMR-85N JAPAN 13・03-K602
と書かれている。13・03 は製造年月だと思われる。
インクの後ろに入っている透明の液体は逆流防止用のワセリンやシリコーングリスなど。粘度の低いインクはこれがないと後ろからインク漏れが起きてしまう。


リフィル互換について

結論から言うと、三菱ジェットストリームとシグノRT1、ゼブラのSARASAは入れ替えが可能。微妙にサイズは違うものの、ほとんど問題なく使うことができる。気分や用途で入れ替えるのもありかもしれない。何のリフィルが入っているのか混乱しやすいけど。
個人的にSARASAの軸は無難に普通にまとまっているのがよいと思えた。この軸にジェットストリームやシグノのリフィルを入れたりして使っている。。


長期間使って様子見

今回買ったほかのペンも含めて並行して使っていく。今のところシグノRT1(リフィル、インク)は悪くない。ただ思わぬ落とし穴があるかもしれない。何か気づいたら、このページに追加することにする。

従来の油性ボールペンも使う

圧倒的コストパフォーマンスというか、粗品として増える一方の油性ボールペンの用途はもっぱらスケッチ。スケッチは大量のインクを使うので、油性ボールペンがよい。また油性ボールペンは濃く描くことが苦手なので、それを逆手にとって濃淡をつけることができる。これは最新ボールペンでは不可能な芸当。でもこれからは油性ボールペンで文字を書くことはなさそうだわ。


ボールペンの保管方法

サラサをペン先下でペン立てに入れておいたら、インク漏れしたことから、正しい保管方法を調べてみるが、公式ではっきり言っているのはパイロットぐらい。「ボールペンを保管するときは、できるだけ高温多湿を避け、温度変化が少なく、直射日光の当たらない場所に横置きして下さい。」とある。実際、店頭では縦置きでペン先が上だったり、下だったりと、でたらめなので、それほどシビアではないようだが、理想的には横置きのようだ。でも数年間の横置きをして、まったく動かさないと沈殿気味になったことがある。普通はペン先は下向きか水平でよいと思う。 肝心なのは使用時にペン先を下にして使うことだろう。壁を下敷きにして書くのは空気が入る可能性がありトラブルの元。

ちなみにホワイトボードマーカーや水性顔料マーキングペンは横置きしないと、顔料が沈殿すると公式で言っている。

カラー追加

個人的に必要な色をそろえる。すべて0.5mm。選択色は、今までBICの4colorを使っていたので、その影響が大きい。青はメモで、緑は修正色。黒は印刷やコピーを前提としたときに使用する。オレンジはチェックやポイント用。赤でなくオレンジなのは赤フィルムで完全に消せるため。

コピー用紙に書いた文字。発色よく、濃い目の色。どの色もカスレ、ボテがなく優秀。書き味もほとんど同じに感じられる。 赤シートを使って、オレンジを消してみる。肉眼ではほとんど分からない。


裏抜け傾向あり

ノートに書いていくと、裏抜け傾向あり。問題にならない程度だが、紙質によっては深刻かもしれない。インクフローがよくて、たっぷりとインクが紙に入っていくので、仕方ないことではあるが、改めて見ると、ここまで濃くなくてもいいかなと思ったりもする。イラストの原稿などではかなりよい仕事をするのだが、薄いペラペラの紙に書くには油性ボールペンの方がいいのかもしれない。

線幅のコントロールはできない

ゲル、水性ボールペン全般に言えることだが、線幅のコントロールは油性のように柔軟にできない。基本的に一定幅の均一した線を書くためのもの。下は青がBICオレンジ1.0mmで書いたもの。結構柔軟に線幅をコントロールできる。一方黒で書かれたシグノRT1 0.5mmは常に0.5mm幅となる。細くしようとすると、線が途切れてしまう。絵を描くにしても文字を書くにしても等幅での表現が基本となる。文字の「払い」ぐらいはできるが、それ以上は無理。表現力ということを考えると油性に負けてしまう。スケッチなどは薄く当たりを付けてから描いて行くのだが、油性でないとできない。


水性フェルトペンはもういらない

今まで線画のイラストなどでは、均一なきれな線が引けるので、極細の水性フェルトペンを使っていた。でもシグノRT1があれば、それ以上の仕事ができるので、フェルトペンが不要になった。
フェルトペンの問題はいくつかある。 まずメモ用途などで高速に殴り書きをしようとすると、インクの供給が追いつかずカスレてしまう。これを使うときは丁寧にゆっくり書く必要がある。 さらにペン先の耐久性がないので、筆圧に気をつけなければならない。 また乾燥を防ぐためにキャップを意識しないとならない。よくキャップを忘れて放置してしまうことがあった。 ということで何かと神経を使うペンだった。今後はシグノだけでこなせそうなので、用途別にペンをあれこれ揃えておく必要がなくなった。

インクの乾きは遅い

やや大きな問題となっている。鉛筆で下書きをして、その上からシグノで清書し、消しゴムで下書きを消そうとすると、インクの乾きが遅く、半日以上待ってからでないと消せないことも多い。これは紙質にも影響を受けるのだが、一般的なコピー用紙では多くの場合、乾くまでかなり時間がかかってしまう。いくらキレイに線が引けても、この効率の悪さは問題だ。ということで、絵などを描く場合は、古典的な製図インクと、つけペンを使うようになってしまった。製図用インクは数秒後には消しゴムをかけられるので。

黒0.38, 0.28mm 追加

ゲルインクは筆圧で線幅調整が出来ないため0.38mmと0.28mmも購入。 ただ3本とも同色軸で違いはクリップの印刷だけで、並べてしまうと区別しにくい。

クリップの印刷でしか区別できない。

区別しやすくするために、簡易的に銀色のステッカーを切って下のようにエンドに貼ってみた。とりあえず使い勝手は向上。ただステッカーがはがれやすかった。もう少し粘着力の高いステッカーがあれば交換したい。

線幅は、0.5は約0.5mm、0.38は約0.4mm、0.28は約0.3mmという具合。ゲルインクの場合はボール径と線幅がほとんど同じになる。

リフィルを並べると内径が異なりインクの内容量が違うことが分かる。

0.5は内径約4.6mm
0.38は内径約3mm
0.28は内径約2mm


ペン先を分解してみた。シグノRT1はボールをスプリングで押すことで、どんな置き方をされても先端から空気が入らないようになっている。またペン先の乾燥防止の意味もあると思う。ただ、この構造は筆記のたびにボールが若干沈むことになり、繊細な描画をするとき多少の違和感を伴う。


上写真は0.38の中身だが、他も同じ構造だと思う。かなり繊細なスプリングがはいっている。その先端の針でボールを押している。


2年ほど使ってみた感想 150416

ボールペンとしては、インクの濃さ、線のキレイさは抜群だと思う。でも、表現力を求め出したら、線幅のコントロールが出来なかったりして、限界を感じることも多かった。つけペンの表現力に比べたら足元にも及ばないというのが正直なところ。

さらに鉛筆下書きの上からシグノを使う場合、最終的に下書きを消しゴムで消すが、ここで問題が起きやすかった。インクの乾燥が遅く、作業がはかどらないのだ。効率を求める仕事ではちょっと使えなかった。

コストパフォーマンスの悪さ。すぐにインクがなくなってしまう。他ペンだったら、もっと長く使えていたのに、シグノはあっという間になくなるという印象。ある程度は覚悟していたことだが、この調子で使うと、1年で30本ぐらいリフィルを買う必要が出そうだったので、使うのをやめた。これはゲルインク全般に言える。

軸の見た目はおしゃれだが、ノック部周辺の作りが残念。あとインク残量がバラさないと確認できないのが残念。大きな不満ではないのだが、もうちょっと改良してもらいたい。

上記のような理由でメインのペンとしては使うのをやめてしまった。でもインク性能はよいので、ちょっとした作業では活躍している。特に色ペンは使用頻度も少ないので、すぐインクがなくなるようなこともなく、シグノは合っているように思えた。

結局のところ、表現力と効率とコスパを同時に求める用途では、Gペン等のつけペンを使うようになり、 コスパと手軽さを求める用途では、従来の油性ボールペン(三菱鉛筆 VERY楽ノック)に戻りつつある。 個人的には、ゲルインクが必要な用途って、ほとんどなかったというオチになりそうだ。


廉価なRTに乗換え 151115

高い品質の線が引けるので、なんだかんだでシグノを使っている。今回試しに廉価な軸のRTを買ってみた。個人的には、この廉価なRTの方が気に入ったわ。ただオレンジの0.5がない。色の0.38は細すぎて使いにくい。


よりシンプルなキャップ式シグノに順次乗換え 160930

価格差はあまりないものの、ペン先がシンプルなキャップ式シグノに乗換え中。書くたびにボールが引っ込むRT1と比較すると、キャップ式はダイレクトで、書き始めの線質が明らかに上回っている。また色が豊富でオレンジの0.5がある点もよい。