オーディオインターフェイス TASCAM UH-7000

オーディオインターフェイスは3年ごとに乗り換えている。2010年にアレシスのミキサー兼インターフェイスのMultimix4 USBを買って3年使い、2013年にFocusrite 2i2を買って3年使った。 そして2016年に、このTASCAM UH-7000へ乗り換えた。個人的にオーディオインターフェイスは重要な機材なので、レビューも詳細に書いておこうと思う。

この手のチップに左右されるデジタル機器は日進月歩なので、不満が出たら、その時の最新チップを乗せた機器に乗り換えるのがよいと思う。 高額な機器でも、すぐに陳腐化して、低価格な機器に抜かされてしまうことも多いので、趣味ならハイエンドにすることもないだろう。 ただアナログ部分は、新しければ良いとも言えないし、コストのかかる部分でもあるので、あまり低価格だと、この部分が犠牲となってしまう。 オーディオインターフェイスの場合は、増幅率の大きいマイクプリに差が出やすい。

今まで使っていた2i2は、再生音が緩めの音だったことと、バスパワーゆえに貧弱な印象はあったが、マイクプリは低ノイズで優秀だった。大きな不満もなかったのだが、ワンランク上のUH-7000が安価に入手できたこともあり、乗り換えることにした。


主な仕様

発売日 2014年3月 (2018年には生産完了)
価格オープン 発売当初こそ66000円程度だったが現在38000円~と値崩れ

サンプリング周波数 44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
量子化ビット数 24bit
アナログオーディオ入力
ANALOG LINE IN 1/2
コネクター 6.3mm(1/4")TRS標準ジャック(T:HOT、R:COLD、S:GND)、バランス
入力インピーダンス 15kΩ
最大入力レベル +26.5dBu
最小入力レベル -38dBu
ANALOG MIC IN 1/2
コネクター XLR-3-31(1:GND、2:HOT、3:COLD)、バランス
入力インピーダンス 2.2kΩ
最大入力レベル +2dBu
最小入力レベル -60dBu
アナログオーディオ出力
ANALOG LINE OUT 1/2
コネクター XLR-3-32(1:GND、2:HOT、3:COLD)、バランス
出力インピーダンス 100Ω
最大出力レベル +24dBu
デジタルオーディオ入力
AES/EBU
コネクター XLR-3-31(1:GND、2:HOT、3:COLD)
フォーマット IEC60958-3 (S/PDIF)、IEC60958-4 (AES/EBU)
サンプリング周波数 44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
デジタルオーディオ出力
AES/EBU
コネクター XLR-3-32(1:GND、2:HOT、3:COLD)
フォーマット IEC60958-3 (S/PDIF)、IEC60958-4 (AES/EBU)
サンプリング周波数 44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
ヘッドホン出力
コネクター 6.3mm(1/4")ステレオ標準ジャック
最大出力レベル 45mW+45mW以上(THD+N 1%以下、32Ω負荷時)
USB
コネクター USB Bタイプ 4ピン
フォーマット USB2.0 High Speed (480Mbps)、FULL SPEED (12Mbps)
電源 AC100V、50/60Hz
消費電力 15W
外形寸法 214(W)×81.2(H)×233(D)mm
質量 2.2kg
動作温度 5˚C~35˚C

性能
ADC チップセットダイナミックレンジ 123dB (A-weighted)
DAC チップセットダイナミックレンジ 123dB (A-weighted)
周波数特性 20Hz~80kHz +0.005dB/-0.16dB (Mic Preamp、Fs=all)
歪率 0.0009%以下 (MIC to AD)
S/N比 117dB (MIC to AD)

動作条件
Windows XP:32ビット SP3以上
Windows 7:32ビット SP1以上、64ビット SP1以上
Windows 8:32ビット、64ビット
Windows 8.1:32ビット、64ビット

Macintosh
Mac OS X Snow Leopard(10.6)、OS X Lion(10.7)、 OS X Mountain Lion(10.8)、OS X Mavericks(10.9)


主な特徴

UH-7000は、2chのIN/OUTが可能でマイクプリが優秀というシンプルなオーディオインターフェイス。MIDI端子もなく、DAWも付属せず、機能が少なく割高感がある。いかにも音質だけを追求したまじめな機種だが、あまり訴求できなかった残念な機種に思える。PCと接続しないときは、マイクプリとして機能する点がユニークで、マイクプリにオーディオインターフェイスを搭載したという見方もできそう。それだけマイクプリが売りだということかな。タスカムにはデジタルレコーダーなどもあるので、そういう機器とPCなしでも接続できるようにしたのだと思う。

個人的にはAudacaityで録音するので、DAWも必要ないし、2chの入出力で十分なので不満はない。期待したのは再生音質と、マイクプリの音質だけなので、タスカムの狙いに合ったユーザだとは思うが、多分少数派だろう。


AC電源

パワー不足になりがちなUSBからの電源供給ではなく、ACから電源を取るので安心感がある。ヘッドフォンからの音も余裕を感じるし、音量を上げることもできる。音響機器は電源がしっかりしていることが、やっぱり重要。

その代わり、ACケーブルが増えて、机上がゴチャゴチャしてしまったが、まぁ仕方ないこと。ACケーブルは太く固く、3ピンのもの。規格は汎用品なので、もう少し柔軟なケーブルに取り替えることも可能。


再生音

PCから再生してヘッドフォンで聴いてみると、 まずヘッドフォンをちゃんとドライブしているという印象。音量にも余裕があるし、音量を上げても耳に刺さるような、うるささはない。 十分な電圧と電力を供給できるAC電源の影響は大きいと思う。 そして解像度が高く細部まで聞き取れる。 低音はボケず、ベースにしても何をやっているのかよく分かる。各楽器の演奏がマスクされず分析しやすい。 SONYのモニターヘッドフォンのCD900STなどで聴くとリバーブ成分の細部まで聴こえる。 2i2は再生音がイマイチだったので、かなりの差を感じてしまう部分ではあった。

仕様的なことでは、 foobarなどのプレーヤーで再生しているときに、ブラウザ上で新たな音源を認識すると、一時的に音量が下がってからフェードインして元に戻る。またfoobarで再生中、次の曲に移るときも同じようにフェードインする。頭に無音がある音源なら問題ないけど、突然ドンと入るような曲だと、頭がフェードインで削られてしまう。音量を再度調整するので、安全装置なのだろうけど、削られる場合も結構あるので、音源を加工するしかないかな・・・


HDIAマイクプリアンプ


新規設計のHDIAマイクプリアンプを搭載していて、TASCAMマイクプリアンプの中で、もっとも良い特性を実現しているとある。マイクプリはメーカーが言うとおり高品質で、SM57などの低感度マイクでも十分実用になる実力を持っている。EIN-128dBu、S/N比117dB、歪率0.0009%以下のHDIAマイクプリアンプ搭載とあり、インスツルメンテーションアンプ方式の工業用、計測用の差動増幅回路を採用とある。バッファアンプ+差動増幅回路と思われるので、ノイズ面で有利そう。写真を見るとTI OPA1612Aというオペアンプを使っているね。入力インピーダンスは2.2kΩで標準的。

実際にノイズレベルがとても低い。と言っても2i2もかなり低かったので驚くほどではなかったのだが・・・  録音して比べてもノイズレベルはそれほど差を感じなかった。 ただ、同等の低ノイズを実現している低価格オーディオインターフェイスは少ないと思う。というかほとんどないだろうと思われる。 UH-7000は元々6万以上で販売されていたので低価格ではないか・・・

実家用に買ったSteinberg(YAMAHA) UR12はノイズレベルがひどかったのだが、価格的には標準的なノイズレベルだということらしい。 Alesis Multimix4 USBも結構ひどくて、音質もよろしくなかったので、録音進時は結構加工していた。 そういう意味では2i2は、低ノイズで、ものすごく頑張っている感じがした。 多くのメーカーは実際のS/N比をカタログ等で公表していない(特にヤマハ)。TASCAMは自信があるのか書いているねぇ。

音質は2i2と比較すると、音の傾向は似ているが、解像度の高さ、高域の抜けのよさ、再現性はUH-7000が優秀。2i2も悪くはないのだが、やはり丸く、細かな部分はマスクされている印象。比較するとランクの差が出てしまう。 特にSM58やSM57などは、UH-7000で、ようやく本領発揮という感じ。 メーカーが単体プリアンプとして使えると、アピールするだけのことはある。


ギターで音量の小さいアルペジオを録音してみた(演奏は適当です) 。サンプルは無加工で、聞こえるノイズはPCのファン音。本来はファンレスのPCで録音すべきだわ。とにかくプリアンプのノイズはまるで気にならない。音はモノラルだが細部まで聴こえて立体感すらある。

サンプリング周波数は以下に対応している。再生/録音するソフト側の設定に応じて自動で変更される。 44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz

量子化ビット数は24bitで固定。

ノイズレベルがどれぐらい低いか、ノイズサンプルを疑似的に作ってみた。 -60dB、-80dB、-109dB、-117dBをそれぞれ2秒ずつ再生している。 下絵はリニア表示での音量差になるのだけど、これを見ただけでも、すごい差に感じられる。

-60dBは、明らかに聞こえるノイズ。カセットテープとかSteinberg(YAMAHA) UR12なんかはこのレベル。

-80dBは、一般的に結構よいだろうというS/N比。

-109dBは別次元の低ノイズに聞こえる。Tascamの最新機器のS/N比。

-117dB(UH-7000)は、さらに-8dB低い。リニアでは1/2.5といったところで、試聴上でもかなり差を感じる。

下サンプルは聞こえるように実際のノイズレベルを50dB上げた状態になっているので、音量注意してください。




外観

全体的には高級感を出したのだろうけど、個人的には関心がない。よかったところは、入力レベルのノブが大きく、適度なトルクがあるので、微調整がしやすいこと。素材はアルミ。
ヘッドフォン用の音量ノブは、ヘッドフォン端子から離しているので、手がプラグに当たることもなく操作しやすい。結構実用的なレイアウトだと思う。 ただノブは滑りやすく目印もない。もうちょい大きくするか、ギザギザを付けるかして、調整しやすくして、今現在どれぐらいのボリュームなのか視覚的にわかるようにしてもらいたい。

ノブには数字が書かれているが、普通に入力のゲインdBだろう。ただ、文字が小さく視認性が悪く、暗いところでは全く役に立たない。 それから普通は、数字を本体に書いて、ダイヤルには目印だけある方が使いやすくないか? 見た目重視で機能性を軽んじているように思えてしまう。多くのメーカーで思うことだが、デザイナーは、もっと機能のことを勉強してから仕事してもらいたい。


ファンタム電源がONになると、入力チャンネルのノブ斜め上のLEDが点灯する。これは直感的で分かりやすい。


サンプリング周波数を確認するLED。

ハードからコントロールする部分は少ない。操作ボタン類は下のMIXER PANELとLINK LINEぐらい。しかも複数機能の掛け持ちなので使い勝手はあまりよくない。

MIXER PANELを押すと、PC上のソフトミキサーが起動する。

LINK LINEを押すと、アナログラインアウトの音量調整ができるようになる。ただしヘッドフォンと連動してしまう。2i2は独立していて使い勝手がよかったけど、業務機器として考えると、ラインアウトの音量を調整するというのは邪道かな。ということで、潔くラインアウトは調整不可でもよかったように思う。
またミキサーでマイク入力に設定されているときは、 長押しするとファンタム48VがONになる。2ch独立してON/OFFできるので何かと安心。 ただ入力切替(マイク/ライン)がソフトでやるのでイマイチ使い勝手が悪い。 ハードだけで必要な機能の切替は出来た方が何かと迷いがないので理想ではある。 まぁハードはシンプルにして、ソフトでやった方がコスト、トラブルともに有利ではあるので、わからんでもないけど。


底面

普通かな。個人的には全部普通でいいよ。


脚は高級オーディオ的な処理がされている。振動でも吸収するのだろうか?


側板の固定は、キャップボルトが使われている。機能的な意味はなさそう。


天板はザラザラで、ホコリがくっつきやすい。見た目を良くしようとマットにしたのだろうけど使い勝手悪すぎ。掃除しやすい、つるっとした普通の表面の方がいい。


入力レベルメーターは独立した20ドットLEDで確認できる。ただLEDが一個点灯すると上の方へ光が透過してしまってグラデーションになってしまう。結局ピークが分かりにくく、何のためのメーターなのか疑問に思ってしまう。実用上、音が来ているかどうかの判断ぐらいしか使わないので問題ないけど


入力端子はマイクのXLRとラインTRSのみ。民生用によくあるコンボジャックではない。またエレキギター用の高インピーダンス入力はない。アウトプットはXLR。ということで業務仕様になっている。

マイク入力
XLR-3-31(1:GND、2:HOT、3:COLD)、バランス
入力インピーダンスは2.2kΩ。マイクや、エレキベースDI経由を入れるのに使う。

ライン入力
6.3mm(1/4")TRS標準ジャック(T:HOT、R:COLD、S:GND)、バランス
入力インピーダンスは15kΩ。 所有しているキーボードCASIOのCTK-240のヘッドフォン端子から、アンバランスで接続しても問題ない。

アナログ出力
XLR-3-32(1:GND、2:HOT、3:COLD)、バランス
出力インピーダンスは100Ω。アクティブスピーカー等に使用。


デジタル入出力 XLR
AES/EBU
IEC60958-3 (S/PDIF)、IEC60958-4 (AES/EBU)
44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
デジタルレコーダー等と接続するための端子。個人的には使いそうもないけど。

USB2.0端子
PCとの接続に使用。

AC電源
ACアダプタではないところがよい。インレットはC14。


接続例

説明書から抜粋。まさにこの通りの使い方をしているわ。


チップ

ADコンバーターは、BurrBrown PCM4220。
DAコンバーターは、BurrBrown PCM1795。
BurrBrown社は現在TI(米Texas Instruments)に買収されている。 トップクラスのチップなので、音がしゃっきりしている。やはりチップによる差は大きいね。 音の評判がよいAudient ID22では、ADは同じPCM4220、DAはPCM1798を使用。DAはUH-7000よりワンランク下のチップ。


クロック

TCXO(温度補償型水晶発振器)を使って、通常の水晶発振器の1/100程度まで精度を上げているそうだ。 広範囲の温度下で安定しているという。 クロックはサンプリングを行うタイミングをつかさどるので、DA/AD変換に影響を与える。 どう音に影響するかは諸説あるが、高精度なほど問題がなくなる方向は一致。 またデジタル入力を使って、クロックジェネレーターで動作させることも可能。 機材を複数使う場合、クロックを共有するメリットは大きい。 クロックが不一致では、やりとりがうまく行かないのは明らかなので。


ミキサー


ミキサーの使い勝手も悪くない。説明書を見なくてもほとんどの項目は直観的に操作可能。 サンプルレートの設定は、使うソフトに応じて自動変更。その結果は本体のインジケーターを見るしかない。ソフトを見たり、ハードを見たり、ちょっと散漫な感じはする。 理想はハードで一目瞭然が使いやすいけど、それを実現すると製造コストが高くつくし、不具合も出やすくなる。 逆にソフトで何でもやるという考えもある。ソフトでやれば、コストを下げつつ、メカ的トラブルを最小限にできる。 UH-7000は、ある意味この方向なのだが、単体でも利用可能にしたためか中途半端な印象は否めない。

また、ソフトは常駐するので、UH-7000を使っていないときでもバックグラウンドで待機している。あまりよろしくない仕様だわ。

良い点は、ステレオ音源をマルチチャンネル扱いして、各チャンネルをモノラルとして扱えること。


設定タグ

基本的な設定は、ここで行う。
Audio Performanceは、バッファのサイズ調整でレイテンシーに効いてくる。バッファは小さい方が、音の遅れが最小になってよいのだが、処理が追い付かなくなるとブチブチというノイズが入りやすくなる。PCのスペックに応じて調整する必要がある。
Highest Latency バッファ最大
High Latency バッファ大
Normal Latency バッファ中
Low Latency バッファ小
Lowest Latency バッファ最小

エフェクト

エフェクトタグの画面。さらに各エフェクトを切り替えるためのタグがある。

エフェクトが本体にDSPとして搭載されているのでPCへの負担を減らせられる。その調整はPC側で行う。 搭載されているエフェクトは生録用の基本的なもの。特にボーカルを意識したセレクトとなっている。 ただ一度に使えるエフェクト数に制限があり、基本的には1個のダイナミックエフェクトとリバーブしか兼用できない。 LimiterとLowCutは兼用可。 またリバーブは掛け録りはできないので、あくまでもモニターするときに聴きやすくするために使うもの。 ということで、エフェクトを使いたい人にとっては中途半端に思うだろう。 また設定したサンプリング周波数によっても、利用条件は変わってしまう。 周波数が上がると使えるエフェクトは少なくなる。

各エフェクトの出来は、まぁ使えるかなという印象で、特別優秀とは感じない。 設定は前回のパラメーターが維持されるが、名前をつけて複数保存することはできない。 また信号の流れとしては、入力された音を本体DSP上でエフェクトかけて、ヘッドフォンモニターに返す。 デジタル処理なので多少はタイムラグはあるはずなのだが、聴いた限り全くわからない。

UH-7000のような機種を使う人は、オールインワンを求めているとは思えないので、エフェクトはなくてよいと思えるのだが。


エフェクト COMPRESSOR


標準的なパラメーターが並ぶコンプ。グラフィックもわかりやすいと思う。

エフェクト NOISE SUPPRESSOR


コンプに近い作りのノイズ減衰エフェクト。

エフェクト DE-ESSER


ボーカルの「サシスセソ」等にある歯擦音を和らげるためのもの。

エフェクト EXCITER


倍音を強調するエフェクト。

エフェクト EQ


LOWとHIGHはシェルピングで、設定周波数からカットもしくは増幅する。MIDのみピーキングになっている。細かな補正というよりは、大雑把な使い方になるかな。ローパス、ハイパス的な使い方や、MIDで特定周波数だけ持ち上げるような使い方など。
ベースをラインで録音するときなどは、録音してからEQ掛けたりする手間もなく便利だった。録音側のソフトを変更しても関係ないので、そういう意味でも使いやすいかも。

エフェクト LIMITER/LOW CUT


このリミッターとローカットはサンプリング周波数が44.1kHzもしくは48kHzのときのみ同時使用が可能。ただしリバーブが使えなくなる。 リミッターはパラメーターがなくON/OFFだけ。ローカットは40、80、120Hzの三択。

エフェクト REVERB


センドエフェクトはリバーブだけ。各チャンネルからPREもしくはPOSTを選択できる。PREはチャンネルフェーダーに入る前にセンドへ送り、POSTはフェーダー通過後にセンドに送る違いがある。

このリバーブの目的はボーカルのモニター用。使い方としては、リバーブのSENDは入力レベルで、RETURNは出力レベルなので、SEND全開でRETUTNは絞り気味で利用するのがよさそう。そうしないと余計なノイズが入ってしまう。
リバーブはHALL、ROOM、LIVE、STUDIO、PLATEがあるが、どうもPreDelayとTimeの設定が変わるだけのようだ。てっきり、リバーブアルゴリズムが違うのかと思った。個人的には品質も?なので、使うことはないだろう。

Linux非対応

残念なのはLinuxで利用できないこと。 ソフトに依存する部分が大きいので、同等の機能をLinuxで利用するのは難しいだろう。 いずれ再生/録音するぐらいは出来るかもしれないけど、設定はWindows/Macが必須だろう。 ソフト的にシンプルなオーディオインターフェイスであれば、Linuxに対応しやすいので、本当はそういう機器がよかった。 そういう意味では2i2はシンプルでよかった。


動作の安定性

今のところ、Windowsで利用しているが、PCからの認識も安定していて、おかしな挙動はない。 電源をいつ入れても、安定して認識する。同じくUSBケーブルを、いつ抜き差ししても、安定して認識する。これは2i2では苦労したところ。毎回立ち上げてから認識させる儀式が必要だったので。

電源のON/OFF時にヘッドフォンをつけていても、プチッという音が非常に小さい。日本メーカーらしく気を使っている。海外製品の多くは何も対策していないので、びっくりするほど大きな音が出たりする。


まとめ

2i2と比較して、大きく重くなり、エレキベースを直接挿せなかったり、AC電源が必要だったり、Linuxで使えなくなったり、不便にはなったけど、 最も重要な要素である再生及び録音品質がかなり上がったので満足というところ。やはり音質が良ければ、使い勝手が多少落ちても許せてしまう。