2015/01/18

電子ピアノ YAMAHA CLP-100 鍵盤修理

うちにある電子ピアノはヤマハの CLP-100 というモデルで、調べてみると1987年発売だった。今から28年前のモデルになる。音源はFM音源で、現在主流のPCM音源とは方向性がかなり違う。生音を録音して再生するPCMよりも、波形を計算して作り出すFM音源の方が電子楽器ぽくて個人的には好き。

かなり古い電子ピアノだが、まだまだ普通に弾くことができている。ただ黒鍵のいくつかが戻らなくなることがあるという。ということで修理してみた。ネットで同じモデルの修理記事がないか探してみたが、さすがにこれぐらい古い機種になると全くない。仕方ないので、分解しながら構造を勉強することにした。分解の過程で問題点も分かると思われる。

本体底のねじを4本外すとカバーが開く構造になっている。中身はシンプルで音源&アンプの基板が1枚だけ。電源は普通の外付け用ACアダプターを固定しているだけ。スピーカーも適当な感じ。分解すると電子ピアノは鍵盤部のコストが圧倒的だということがわかる。電子関係は数千円というところかな。



鍵盤部は、本体底のパーティクルボードにネジで固定しているだけなので、それをごっそり外し、各鍵盤のメンテをする。

鍵盤部を取外し、裏側の基板類を外していく。

鍵盤は2つのスイッチでベロシティを検出している。極めてシンプルな構造。

基板はパターンがあるだけ。接点部は経年劣化しやすいのだが、まったく問題なかった。

基板を取ると構造がわかる。

板ばねで鍵盤を戻す構造。この板ばねを取ることで各鍵盤を外すことができる。鍵盤全体をひっくり返して、裏からメンテしたい鍵盤に対応する板ばねを外したら、鍵盤全体をまたひっくり返して元に戻す。ハンマーが下がった状態で、鍵盤を持ち上げるようにし、根元のヒンジ部を上に引っ張ると鍵盤とハンマーが取外せる。

取外した黒鍵と白鍵はハンマーの形状も違う。

黒鍵は白鍵に比べて外すのに苦労した。両隣の白鍵をまず外した方が作業はしやすい。 黒鍵は、やや引っかかるので、慎重に位置を調整しながら取外す。

黒鍵が戻らない理由としては、 黒鍵はハンマーとのクリアランスが少ないため、ブレがあると、干渉しやすいようだ。それに加えて、劣化したグリスなどにより滑りが悪くなり、押した鍵盤が戻らないことが起きていたと思われる。

メンテとしては、黒鍵とその下にある金属製のハンマーを取外し、これらをクリーニングし、グリスを塗ることで、動きの悪い鍵盤を正常にする。

鍵盤を取外したフレーム部。

メンテ後にハンマーを戻して組み立てていく。

これで鍵盤の不具合は改善された。今回問題のある鍵盤だけしかクリーニングしなかったので、そのうち本格的にメンテしてもいいかも。

今回の分解メンテで感心したのは、各部に致命的な経年劣化がなかったこと。一部ウレタンスポンジは完全に駄目だったけど、機能的に問題はなく、28年近くも使うことができている。素晴らしい。今時の民生電子機器でこんな長寿なものはないと思う。

AUX.OUT端子 150811

ピアノの音を録音するときに使う背面にある端子だが、このピアノの場合、通常のLINE出力と違って、ボリュームに応じて出力レベルが上下してしまう。かなり問題のある仕様だ。最近入手したボイスレコーダーを接続して録音を試したところ、通常の録音方法では音量が小さすぎてしまう。仕方なくボイスレコーダー側の外部入力を外部マイクとして設定することで、ピアノが小音量でもそれなりに録音できるようになった。

ちゃんと録音して聴いてみると、このピアノの表現力のなさが露骨になる。まず音の強弱の違いが音量差でしかないこと。FM7なんかは鍵盤を叩く速さに応じて音が変化するのだが、同じFM音源でありながら、そういう表現力がない。また基本モノラルなので、余計にチープな音になる。ステレオシンフォニックというボタンがあって、これを押すとコーラス効果が得られるが、はっきり言って気持ち悪いだけなので使わない。後はサーというノイズがそれなりに入ってしまう。ということで何かと古さを感じてしまうが、これはこれでカワイイかも。