2015/02/13

エレクトリックベース YAMAHA RBX-270

ヤフオクでエレキベースをゲット

曲を録音するのにベースが欲しくなったので、ヤフオクで安いものを探す。 条件は5000円程度で使えるベース。 10年以上前の国産か、海外生産でも自社工場で生産しているヤマハがよさそう。
まずリサーチしてすぐ判明したのは、 エレキベースの代表格である ジャズベ(Jazz Bass)、プレベ(Precision Bass)タイプはコピーも含めて高額になりやすいということ。 5000円以下で手に入る可能性が少ないため、候補から除外。
Fender precision bass プレベ

Fender Jazz Bass ジャズベ

またネック状態が重要なので、そこに触れていない品は除外。 変形ベースは弾きにくいので除外。なるべくスタンダードな形状が好ましい。 またボディが小さすぎたり、軽すぎるベースは音も軽くなることが多いので、それなりの材で、そこそこのサイズは欲しい。 スケールはミディアム以下になると、弾きやすくはなるが、音がボワンボワンして輪郭がはっきりしないのでロングスケールが好ましい。 こんな感じの条件で、しばらくヤフオクを眺めてみる。
そんな中で注目したのは YAMAHA RBX-270(2001年発売 定価35000円)というのエントリーモデル。

このベースについて、ネットで検索してもほとんど情報がない。人気がないのは明らか。 おそらく形が気に入らない人が多いのだろう。こういう品は安く入手しやすいので狙い目。 個人的には、楽器として使いやすければ何でもよかったので、形は気にしない。 RBX-270は、ロングスケール、ボディはアルダーで、そこそこの大きさがある。 これなら音質も悪くないと思う。 またヘッドも小さめなので、持ったときにヘッドが下がることはないと思われ演奏性も問題なさそう。 ストラップピンの配置もフェンダーに近く違和感がないようになっている。 さすがヤマハはちゃんと考えて設計している印象を受ける。当たり前のようだが、テキトーに設計している楽器も結構あるから要注意なのだ。
ただ最近のベースはどれも24フレット仕様だったりして、あまり好きではない。そもそもベースでそんな高域使ってどうするの?と思っている。そういう音域を使いたい人はベースでソロなどやりたいのだろうけど、テクニカルなベースソロはうんざりする。またハード的には、ネックが数センチ長くなり、ネックへの負担が増す方向なのも気になるところ。
懸念事項は海外生産品であること。 他ブランドだったら、委託なので品質管理が行き届かないことが予想され避けたいところだが、 ヤマハであれば海外生産でも自社工場なので、最低限の品質は確保されているはず。 ちなみにヤマハは高級モデルは国内生産で、安価なモデルは海外生産となっている。

またRBX-270と同じ形のRBX-170(インドネシア製)という、さらに廉価モデルもあるのだが、現行品らしく販売されているようだ。ただRBX-170のボディ材は余ったものを使っているようなので、くじを引く感覚に近い。当たりが出たらラッキーという仕様。ピックアップもテキトーそうだし、回路も2vol,1toneと簡易的になっている。 対してRBX-270はスペックが公開されていて安心して買えるベース。というか普通か。

さて、ヤフオクは予想通り入札も少なめで、あっさり安価に落札できた。それに比べて、ジャズベ、プレベタイプは結構高額になっていて人気が伺える。 またヤマハのベースで人気なのはBBシリーズで、そこそこ高値がつく。他シリーズはMB-II等の一部を除いて、結構無視されている印象だった。 楽器はスタンダードになったものが一人勝ちする保守的な市場。 もしくは有名ミュージシャンが使っているかどうかが大きなポイントかもしれない。 そこから外れると、楽器としての品質は同等でも価値が半減。ブランド志向も根強い。まぁファッションの世界とも言えるので当然の現象だが。 後々売るなら定番品を入手した方が売りやすいことは間違いないが、今回は、なるべく安く最低限のベース音を出したいという目的なので、RBX-270の選択で悪くないと思う。


YAMAHA RBX-270 主な仕様

2001年発売
定価35000円(税抜)
生産国 台湾 高雄ヤマハ(自社工場)
スケール 34インチ(863.6mm)
ボディ材 アルダー
ネック メイプル
指板 ローズウッド 250R 24フレット
ナット幅 40mm(弦間ピッチ 10.5mm)
ブリッジ RBS-STC(弦間ピッチ 19mm)
ピックアップ(PJタイプ)
  YBS-F5PC(フロント:プレベタイプ、スプリット(シングルx2)),
  YBS-F7JC(リア:ジャズベタイプ、シングル)
コントロール(パッシブタイプ) マスターボリューム、バランサー、マスタートーン
色 MPPミストパープル
重量 3.5kg


届いたので一通りチェック


思ったよりも状態はよいようだ。10年ぐらい前のモデルで、中古楽器としては新しい方。経年劣化もさほど感じない。

金属部はピカピカ。回路を含めてオリジナルはキープされているようだ。

多少の打痕と塗装剥げが1箇所あるがボディ裏なので目立たない。全体としては美品。

コンパクトなヘッド。ヘッドが大きくなると持ったときにヘッドが下がって、手で支えないと弾けないベースも多い。これぐらいコンパクトで、ボディがある程度重ければ、バランスよく持つことができる。このRBX-270も悪くない。

ヘッド表は黒の塗装がされている。ここに色を塗るとちょっと高くなるのだが、どういうわけかメーカーはヘッドに色を付けたがるね。

ヤマハロゴには音叉マークもある。

テンションバー

ヘッド裏もきれいな状態だ。

製造番号かな?

機種名はこじんまりと表示されている。カタログと違ってハイフンはないのね。

ボディ裏には生産国が書かれている。台湾製だが高雄(Kaohsiung)ヤマハという自社工場。このベースを見る限り、各部工作精度は高く、仕上げもきれいで、組み付け精度も高い。また塗装などもしっかりしている。下手な国産よりもよいかもしれない。高雄ヤマハは残念ながら生産コストが上がったため2007年に解散してしまった。その後安いモデルの生産国は中国とインドネシアへ移ったようだ。

チューニングマシーン(糸巻き)は状態、機能共にすばらしかった。どこ製か不明だが、適度なトルクでスムーズに微調整ができる。

トラスロッドはボディ側から調整するタイプ。

ネックの状態が一番気になるところだが、ベースはネックが長く、負荷も大きいことから多くの場合何らかの問題を抱えている。個人的には設計段階から不十分だと思っている。ちなみにダダリオのEXL170という弦の場合、4本合わせて75.14kgとある。重めの人間一人が乗っているのと同じようなものなので、かなりの力だ。ついでにエレクトリックギターは40kgを切り、アコースティックギターは約70kgとなる。アコースティックギターも過酷かも・・・

多くのベースの場合、チューニングした後に、ボディトップを上にして寝かせると、チューニングは上がってしまうし、逆にボディトップを下に向けるとチューニングは下がってしまう。ジャズベやプレベのようなペグが重いベースは特にチューニングが上下し20セント以上変わってしまうこともある。それは弦の張力に対してネックが弱すぎるから。またヘッドに錘を付けると音がよくなるとか迷信じみた話があるが、あれは弾いたときにネックが暴れないようにしているだけの話。結果的に音が安定するとかそういうことはあると思うが、本質的にはネックの剛性を上げるべきだろう。このRBX-270はヘッドが小さく軽いので、多少はマシだがやはり7セントぐらいは狂う。

ジョイント部 ボルトオン

プレートには何も書かれていない。

ブリッジは古典的なデザインだが、ピカピカで新品みたい。

高さを調整するイモネジ(M3)の長さは、1、4弦が12mm、2、3弦が14mmある。

アウトプット・ジャックは側面にある。個人的には使い勝手、部分交換の面からボディトップ面がよかった。またプラグを挿すとき固く、よろしくない。



調整作業

ネックがやや順反りだったのでトラスロッドで調整する。 弦高は12フレット頭から弦との隙間が、4弦側3.0mm、1弦側2.5mmぐらいにした。0.5mm変わると弾き心地が全然違ってくるので、ベストを探すのは難しい。低すぎるのは、あまり好きではないので、やや高めというところ。

オクターブチューニングをして、一音一音チェックしてみるが、12フレットまでならプラスマイナス3セント以内に何とかおさまった。個人的には12フレットよりハイポジションは使わないので問題ない。

他は調整する必要がないぐらい状態がよかったので30分ぐらいで完了した。


PJタイプについて

PJタイプはピックアップのレイアウトのことを言う。80~90年代は流行っていたレイアウトで、ヤマハなどは高級機種のBBシリーズにも採用している。PJのPはプレベを意味し、Jはジャズベを意味している。 フロントはプレベと同じスプリット・コイルで、リアは取って付けたようにジャズベのシングルピックアップが付いている。

ジャズベはシングルコイルを2個使って位相を逆にすることでハムキャンセルする仕掛けになっているが、フロントのスプリット・コイルも同じ仕組みでハムキャンセルを行っている。

このPJレイアウトのリアは、ただのシングルピックアップなのでハムキャンセルは不可能。フロントはハムキャンセルできて、リアは無防備というバランスはいかがなものか・・・折衷案ということなのだろうが、中途半端さが半端ではない(笑) ピックアップのバランスを変えるとノイズ成分が変化するところに違和感を感じる。当然というか、現在はPJタイプは人気がないようだ。
まぁジャズベも2個のピックアップのボリュームを合わせないとハムキャンセルは無理という特許回避のためのお粗末な仕様だが・・・


回路について

RBX-270は電池などの電源を必要としないパッシブタイプのベース。ピックアップのレイアウトはPJタイプ。
コントローラーは、下の写真では左から 1Vol, バランサー, 1toneという構成。バランサーはセンタークリック付。ノブはプラスチック製。動きはかなり軽い。こういうコントローラーは適度なトルクが欲しいのだが、安物だから仕方ない。またノブに目印がないので、現在の設定を視覚的には確認できない。

ボディ裏面にあるプラ蓋を外すと回路にアクセスできる。

蓋を外すと内部はシールドされておらず、ノイズに弱い状態だった。

気になったのはバランサーのポットの種類。これはMNカーブかな? ノイズの音量を聞く限りMNのような気がしたが定かではない。 そもそもバランサーってよいのか? センターから外れると急激に片寄るので微調整が難しいと思う。ジャズベのように2vol(Aカーブ)にした方が原始的だが微調整はしやすいと思う。ヤマハの設計としては1つのノブで比率をコントロールした方がスマートと思えたのだろう。

ボリュームとトーンのポットは15Aカーブの250kを使用していた。標準的といえる。トーン用コンデンサは0.047μFを使用。安価なポリエステル・フィルム・コンデンサが使われている。

上記を回路図にすると下図のようになる。取外してしっかり確認したわけではないので適当ではあるが、バランサーのアース配線がよく分からん。浮いているように見るのだが、どこかにつながっているのかもしれない。とりあえず図では電圧制御ということでアースを下記のようにつないでおいた。


張られていた弦はヤマハの純正みたいだから、ひょっとしたら工場出荷時のまま? もしそうなら10年以上張られていることになる。音は新品のような輝きはないけど、ピッチは問題ないので、しばらくこのまま使ってみる。

ベースは低音楽器なので、最低音の4弦開放のE1がどのように鳴るかがひとつのポイント。エントリーモデルにしては結構よい印象を受けた。重低音という感じではないが、ブリブリと埋もれない音がする。とりあえず使えそうな音がしたので安心。 各弦の音の出方はどうしてもばらつきは出てしまうが、それも許容範囲。全体的にこじんまりまとまっている印象だが弾き方で十分フォローできる。

超久しぶりにベースに触れたが、やっぱりでかい・・・ 全然体のサイズに合っていない感じがした。慣れるまで時間がかかりそうだ。

とりあえずオーディオインターフェイスのFocusrite 2i2 につないでPCで録音してみた。 3つサンプルを録音した。音の加工は一切していないので、RBX-270のダイレクトな音になっている。 奏法はピック弾き。

1番目は、リアのみ。トーン、ボリュームはフル。倍音が多くブリブリという音色。

2番目は、フロントのみ。トーン、ボリュームはフル。こちらは倍音が少なめで太い音。

3番目は、リアとフロントをミックス(クリックのあるところ)。トーン、ボリュームはフル。2つのピックアップをブレンドした独特のトーン。

うーん特に音色は不満ないけど、それよりもまともに弾けるように練習を1からしないと・・・